スノーシューとは
スノーシューは深い雪の上でも沈みにくく、雪の上に浮かぶように快適に歩くことができる道具です。
雪に足を取られない分、行動範囲を広げて移動することができます。
片足あたり1kg近いスノーシューを履いて走るので、マラソンやトレイルランニングと比べるとスノーシューは運動量が大きくなります。
一方でトレイルランニングと比べると、雪上なので急な斜面で転んでも怪我をしにくく、思い切って駆け下ることができます。むしろ、雪上を転がって楽しめるくらいです。
とはいえ、斜面で転倒し肩を脱臼した方もいますし、木の近くにはくぼみなどもあるので気を抜かず進んでください。
スノシューイングレースとは
雪上を走るトレイルランニング。
スノーシューを履いて雪のうえのコースを走り、タイムを競います。
スノーシュー未経験でも大丈夫ですか?
スノーシュー自体が全く初めての方でも参加可能です。
レンタルスノーシュー(1,000円)を用意しておりますので、スノーシューを持っていなくても参加できます。
難しい技術を身につけなくても楽しめますが、より速く軽やかに走りたい方はスノーシューならではの体の使い方を身につけることをオススメします。
例年は講習会を併せて開催していますが2024年は開催しません。スノーシューイング連盟の講習会や各地のスノーシュー体験ツアーをご検討ください。
ときには厳しい気象条件にもなる雪山での競技です。一般的な登山経験も全くない方は、事前に講習会や体験ツアーなどへの参加を強く推奨します。
登山用とランニング用スノーシューの違い
スノーシューには用途別に3種類あります。
- 登山用
クランポン(雪にささる爪)が多いためグリップ力が高く、雪の斜面を横切るような歩き方でも滑りにくい。坂を登るときにかかとを支えるヒールリフターという機構があり、ある程度急な斜面でも歩きやすい。 - 平地・緩斜面用
歩きやすさを優先し、浮力が高い。グリップ力は登山用よりは低い。ヒールリフターが付いているものもある。 - ランニング用
グリップ力はほかより劣り、ヒールリフターもないことが多い。その分、軽さを優先し雪上を走る動作に最適化されています。
どのタイプのスノーシューでもご参加いただけますが、ラン用のものはより軽快に走れます。
浮力、耐久性、足を固定するビンディングのフィット感と着脱のしやすさ、クランポン(雪にささる爪)の登坂力、コンパクトさ、軽量化など、それぞれ優先させる用途に合わせてデザインされています。
浮力とコンパクトさなど相反する要素もあり、万能なスノーシューはありません。購入する際は、ご自身が一番使うであろう用途に合わせてお選びください。
服装・装備
体力があれば無雪期のラン同様の服装でも
本人の実力、その日の天候、軽量化と安全のバランスなど考え方によって大きく変わるので、一概には答えられませんが、スノーシューは運動負荷が高いので動き続けている限り寒さは感じにくいです。
全行程を休むことなく進み続けられる体力のある方なら、ロングタイツや薄手のパンツに、上半身は薄手〜少し暖かめの長そでなど、無雪期のトレイルランニングと同等の服装でもおそらく問題ありません。天候に合わせてレインウェアを着用してください。
片足あたり1kg近いスノーシューでアップダウンのあるコースを進み続けるので、いいペースで歩くだけでも運動量は大きくなります。
ビギナーの方は、防寒着やネックウォーマー、帽子などで調整できるようにしておくといいです。
汗をかきすぎないよう服装の調節を
レース中に汗をかきすぎないよう服装を調整できるようにしておくことが大切です。暑いときにすぐ脱いで収納できるようにしておきましょう。気温は氷点下〜5度程度なので、故障や体力の消耗で足が止まると、汗をかいたカラダが急速に冷えます。
たとえリタイアするにしても、スタッフのいるところまで進み、さらにそこから下山するまで低体温症にならないよう考慮してください。雪の積もった山中から暖かい施設まで下山するのはスタッフと合流したとしても簡単ではありません。
季節外れの雨が降り、選手・スタッフが濡れながら寒い思いをした大会もあります。当日の天候・気温・風の強さに合わせて調整できるようにご準備ください。
シューズも同様です。
高い運動量で進み続けられる方は無雪期の非防水のトレラン/ランニングシューズでもほぼ問題ありません。
より安全にというのであれば「非防水シューズ+防水ソックス」や「防水シューズ+スパッツ(ゲイター)」を組み合わせて下さい。
ハイカットのしっかりした登山靴・ブーツなどは、走りにくくレースには適しません。
安全確保のためにスタッフを配置しますが、厳しい気象条件にもなる雪山での競技です。ホワイトアウトや低体温症も考慮し、荷物の軽量化とバランスをとりながらレインウェア・防寒着や非常食など携行するなど、スキルや知識も含めご自身でのセルフレスキューの備えをお願いいたします。
コース
スキー場のコースとして整備された圧雪区間と、雪が降り積もったままの非圧雪区間があります。高低差は原則として400m以上です。
コース上にはマーキングを行い、分岐などにはスタッフを配置します。なので、地図などを見ながら走る必要はありません。
まれにマーキングを見逃してコースを外れる選手がいますので、安易にほかの選手を追従せず、マーキングをしっかり確認しながら進んでください。
エイドは基本的に設置しません。必要な量の水分を凍結に注意しながら携行してください。
【参考】
2015年大会の記事になりますが、プロの文章で「初めてのスノーシュー」がとてもよく表現されています。